【糖尿病ブログ】フットケアについて
2022.09.21
糖尿病で足を切断する人は世界で年間100万人、
日本でも6万人以上の糖尿病性足潰瘍患者が存在しています。
また足壊疽に至る患者は2万5千人といわれています。
足を切断した糖尿病患者さんの生命予後は悪く、
1年生存率は約50~70%、5年生存率は約40%に低下します。
(参考文献:林道夫監修.糖尿病まるわかりガイド)
足を守ることは、患者さんのQOL(クオリティオブライフ:生活の質)を保つだけでなく、
生命にもかかわります。
足潰瘍を予防するためにも、足のケアが重要です。
●神経障害の影響
足には神経障害の影響が強く現れやすい。神経が鈍くなると、ケガや火傷に気づきにくくなる。靴の中に異物が入っていても気づかないということも。また、不自然な歩き方でも苦にならず、骨の形が変わってくる。
●血流障害の影響
血流の流れが滞ることで、ケガの治りが遅くなり、感染の機会が増える。足が冷えやすくなり、暖房器具の使用頻度が増すことで火傷のリスクアップ。閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行や壊疽の可能性。
●抵抗力の低下
抵抗力が低下することで、水虫になりやすくなる。足のケガや火傷などが治るまでに、感染症にかかることも。
足の裏は手鏡を使ってチェック!風呂上りや寝る前などに、毎日確認してください。自分でよく観察できない方は、周囲の人に見てもらいましょう。
②足にケガをしないようにする
●家の中でも靴下を履く
●爪の手入れ
●肌の保湿
●自分にあった靴を選ぶ
・サイズが合っている
・足全体が覆われる
・かかとが高くない
・安定している
・柔らかくて通気性のよい素材
新しい靴は、少しずつ履きならしましょう。靴を履く前に、中に異物がないか確認しましょう。
③足に火傷をしないようにする
●暖房器具の使い方に注意
・暖房器具に足を近づけない
・足だけを温める器具はなるべく使わない
・低温火傷に注意
●入浴の際に
・湯舟やシャワーの温度を手で確認する
参考引用資料:糖尿病セミナーNo.17 (skk-net.com)
当院では糖尿病看護外来にてフットケア、糖尿病療養指導をおこなっています。
足のトラブルや糖尿病の療養上のお悩みなどがありましたら、
外来スタッフにお気軽にご相談ください。
◆日時(予約制)◆ 毎週月・木曜日 午前/第1金曜日 午前
次回の糖尿病教室は『旅行時の注意点について』です。
日程/10月3日(月曜日)9時~
場所/天満病院 待合室
料金/参加無料
糖尿病の方、糖尿病に関心のある方などどなたでも参加可能です。
※コロナウイルス感染状況によっては中止となる可能性もありますので、職員までお問い合わせください。
【糖尿病ブログ】平均寿命と糖尿病
2022.08.19
糖尿病患者さんの平均寿命は、糖尿病ではない人の平均寿命より
10年短いと言われた時代もありました。
あ
しかし、日進月歩で治療法や生活改善の方法が進歩し、最近の研究データでは
平均寿命と糖尿病患者さんの平均寿命の差はないといわれるようになってきています。
また、平均寿命ではなく平均余命で比較するべき、との声も。
調査した結果、糖尿病患者【男性:39.2歳、女性:43.6歳】に対して、
40歳の日本人の平均余命は【男性:39.0歳、女性:45.5歳】と、ほとんど同じという結果になりました。
(2000年度 簡易生命表より/厚生労働省)
あ
つまり治療や運動などケアを継続し糖尿病をコントロールすることが重要だということです。
8月に入りますます暑い日が続きますが、食事や運動、睡眠そして水分補給もこまめに、
しっかりと体調管理をして夏を乗り切りたいですね。
あ
【お知らせ】
次回の糖尿病教室は『糖尿病と足のケア』です。
日程/9月5日(月曜日)9時~
場所/天満病院 待合室
料金/参加無料
糖尿病の方、糖尿病に関心のある方などどなたでも参加可能です。
【糖尿病だより】糖尿病薬シリーズ⑩ 注射薬の種類について
2022.07.11
今月の糖尿病だよりは『糖尿病薬シリーズ⑩注射薬の種類について』です。
あ
◇インスリン製剤とは
膵臓から分泌され、生体内で血糖値を下げることができる唯一のホルモン。遺伝子工学の進歩によりヒトインスリンを大量に生産することができるようになり、効果の発現時間や持続時間の調節された製剤ができた。
あ
◇インスリンの種類
インスリン製剤は作用のタイプにより大きく3つに分けることができます。
あ
①追加分泌補うインスリン製剤
食事をとった際に急激に上がる血糖値に対応します
●超速攻型・速攻型のタイプ
あ
②基礎分泌を補うインスリン製剤
作用は24時間程度持続します
●中間型・持効型のタイプ
あ
③追加分泌と基礎分泌の両方を補うインスリン製剤
●配合型・混合型のタイプ
※混合の比率によりさまざまな種類があります
あ
あ
◇GLP-1受容体作動薬とは
GLP-1とは消化管から分泌されるホルモン(インクレチン)の1種。膵臓のβ細胞に作用し、膵臓からインスリンを分泌させることができる。
あ
◇GLP-1受容体作動薬の種類
投与頻度の違いによって1日1~2回注射するタイプと週1回注射するタイプがあります。
・1目盛り≠1単位
・インスリン製剤と配合された製品もある。
・最近では内服薬もできました。
※膵臓からのインスリン分泌が不足している方には適しません。
※単独では、低血糖を起こしにくい。
あ